まず最初にタイトル詐欺であることをお詫びします。
使用したのはNEO-6MではなくNEO-7Mで、RTKも(実質)出来ませんでした。
その経緯についてお話ししたいと思います。
NEO-6MのはずがNEO-7Mだった
NEO-6Mを2016年に購入しました。
最近になって使う予定が出来たので、部品置き場から引っ張り出してきました。
公式にはRAW出力に対応していない製品ですが、非公式のコマンドを打ち込むことによってRAW出力に対応出来るようになります。
ただ調べている最中に気になる記事を目にしました。
表示がNEO-6Mとなっていても中身がNEO-7Mのものがあるとのことです。
自分の買ってあったものはラベルが傾いていたりと怪しい箇所があったため、その可能性はあるのではないかと疑ってはいました。
案の定、調べてみると NEO-7Mでした。
確認方法はu-centerというbloxの純正のフリーソフトで行います。
ソフトを起動してパソコンにUSBで接続するとソフト下部の真ん中ちょっと右に「u-blox 7」という表示が出ます。
M8Tを接続した時は「u-blox 8」と表示されたので、NEO-6Mであれば「u-blox 6」と表示されると思います。
後、ファームウェアのバージョンを確認することで確認することも出来ます。
確認の仕方は、u-center の View → Messages View からウインドウを開きます。
UBX → MON → VER の「Software Version」から確認できます。
ファームウェアはNEO-6Mが7.03 NEO-7Mは1.00が目安です。
時期によって違うかもしれません。
どうして中身が違うのか
これは考えるだけ無駄なので受け入れるだけです。
可能性がありすぎて特定が出来ないことと、特定できたからといって出来ることが無いからです。
ファームウェアを書き換えてあるとか、そもそもコピー品であるとか噂はありますが、こちらとしては中身を把握して使用するしかありません。
RTK用として使用する
隠しコマンドの話は多々あるのですが、肝心のコマンドややり方が書いてあるサイトを見つけるのに苦労しましたので、簡単にまとめておきます。
コードについては表記しない理由があるかもしれないので、リンク先を記載します。下記を参照してください。
バイナリコードはシリアルで送るだけだと思いますが、自分の場合はうまくいきませんでした。
うまくいかなかった方法ですが、Tera Termを使ってコマンドをバイナリで送信しました。
ポーレートを115200に変更するコマンドを送りましたが、反応はあったのですがそこから通信が出来なくなるという事態に陥りました。
そこでrtklib用のコマンドを入れて通信をしたところ、無事にRAWファイルが出てきました。
このコマンドはrtknaviの「Input Stream」の「Cmd」に入力します。
「@」から上を「Commands at startup」に、下を「Commands at shutdown」に下側を入れれば出来ると思います。
自分は止めた後のことは考えてなかったため、上側しか入力しませんでした。
最終的にはraspberry piに繋いで使用する予定だったので、シリアルから直接制御する方法は必須なのですが、後術する理由によりこのユニットの使用を断念したため、そこから先は調べていません。
NEO-7MのRTKデータの実力
とりあえず、動かすことが出来たので使えるかどうかの検証です。
とは行っても、ざっくりの検証になります。
比較対象はM8T + TW2710 + rtklibです。
基準局は自前で用意していますが、屋根裏設置なので条件としては不利となります。
それでも上記のシステムですんなりfixして安定するのでそれほど悪い条件ではないのではないかと思っています。
この状況でNEO-7Mに変えたところ、floatの維持も出来ませんでした。
位置情報も半径2m程度をふらふらしており、通常の測位と比べてそれほど有利な感じは受けませんでした。
このとき直径10cm程度のグランドプレートを敷いていたので、これ以上の改善は難しいと考えています。
少し遊んでみるには良いのかもしれませんが、ある程度実用しようと思うと難しく感じました。
検証結果は以上になります。
今後について
実はNEO-8Mを発注しており、こちらが届いてから検証の続きを行っていきます。
目的は天体の撮影で使用しています。なので天気の良い日限定の精度でよかったりします。
星景写真を撮る際に、入れる風景と星の位置関係を計算で出しているのですが、スマホのGPSや通常のGPS機器では精度的に不足してきます。
現状ではせめて位置情報の精度を1m以内に留めないと繰り返し精度の検証として不十分な感じを受けています。
このような使い方をされる方はほぼいないと思いますが、そのような趣旨で今後検証をしていく予定です。
今回の検証は以上となります。